奈良の紅茶つくりびと
ティーファーム井ノ倉
(井ノ倉 光博さん)
求められたのは上品な香りと味わい、ホテルブランドにふさわしいお茶を目指して!
山の茶園での写真撮影を終え、淳一さんに井ノ倉さんへの道案内をお願いし、
「shop粋翠SUISUI」を訪れました。井ノ倉光博さんは260年前から続く茶農家の11代目、
日本だけでなく、世界が注目する、奈良の茶農園「ティーファーム井ノ倉」の代表です。
「shop粋翠」は2014年にオープンした提案型茶加工施設。
黒と白の、洗練された素敵な空間で、お茶をテイスティング出来るスペースもあります。
全国茶品評会の農林水産大臣賞をはじめ、多くの賞を受賞されている井ノ倉さんのお茶は、
2008年からパークハイアット東京のピークラウンジで、大和茶として提供されています。
4年前、ホテルから紅茶・烏龍茶の企画提案があり、井ノ倉さんはその提案にふさわしい、
上品な香りで、優しい味わいの紅茶を作ることにチャレンジしたのです。
『和紅茶 つきのかをり』 リーフ 60g
緑茶用品種の「さやまかおり」を使用。
ファースト、セカンド、オータム それぞれの時期で製造。
井ノ倉さんの紅茶は自然萎凋&自然発酵。摘採は、乗用で茶芽の先端だけを丁寧に刈りとる、
とっても贅沢で計画的な方法です。リーフの形状も、機械摘みとは思えないほどきれいです。
ホテルからのオーダは微発酵のお茶。ホテルのラウンジで優雅に飲んで貰える、
香気と甘味のある紅茶を目指していて、烏龍茶にも挑戦しています。
井ノ倉さんがホテル取引きの中で、教訓として学んだことは
「茶葉を安定させて、途切れることなく継続させること」と「量もしっかり確保すること」
紅茶は摘採のタイミングが大事、良い芽をタイミグを外すことなく丁寧に刈れば、
オータムでも、春芽のような柔らかい芽で紅茶が作れるそうです。
「お茶の変化を待って作るのは面白いと、でも大変。だけどたのしい!! 」
と笑顔で話してくださいました。
東京に戻って、ピークラウンジへも行ってみました。贅沢な時間でした。
対照的に井ノ倉さんの茶畑撮影はかなりワイルドな道程で、乗用車だと若干のスリルがありました!!
2016.10.8
地紅茶サミット世話人会
紅茶研究家 高橋彰子
[茶園情報]について
株式会社 ティーファーム井ノ倉
〒630-2306 奈良県奈良市月ヶ瀬桃香野4877-2
TEL 0743-92-0733 FAX 0743-92-0724
Mail:teafarm@inokura.co.jp