奈良の紅茶つくりびと
ファーム奥和田
(奥和田 徹さん)
紅茶ブランドには、奈良の古(いにしえ)の物語、万葉ロマンが込められています。
水間町で親の代から、農薬も化学肥料も使わない、『0(ゼロ)オーガニック』で
お米づくりとお茶の栽培をされている、奥和田徹さんを訪ねました。
部屋の傍らには、真空詰めされたアルミ袋が、配送待ちで山のように積まれていたので、
お茶の出荷? かと思って尋ねたのですが(笑)、徹さんが夜な夜な、お気に入りの真空シーラーで
袋詰めされているお米と判明。徹さんが作るオーガニックのお米は、全国各地から依頼がある人気のお米です。
お話が上手で、話題が豊富な徹さんとは、そのお米と真空シーラーの話題でも盛り上がりました。
標高550メートル、僕の所がこの辺りでは一番高い場所に茶畑があり、茶摘み時期は一番遅いと思います。
碾茶用の茶葉も育てている徹さんは、ほぼ真逆に育てなければならない紅茶用の茶葉を
サイクルを廻すことで、チャレンジしようと、思いを語ってくださいました。
碾茶には旨味と色を良くするために、沢山の肥料と、過酷なほどの寒冷紗による覆い掛け期間が必要です。
碾茶を毎年続けると、陽の光を押さえられたお茶の木には大きな負担がかかり、
お茶の木自体の寿命を短くすることにさえなります。
徹さんは本来のお茶の木らしく育てるために、碾茶の後、2年ほどは肥料を完全に抜き、
覆いを掛けずにゆっくりのびのびと茶葉を育て、紅茶を作ろうと考えています。
大和紅茶 かげろひ(nara BLAK TEA) 紅茶 ブロークン50g 100g
緑茶品種のやぶきた、おくみどりファースト
『東の野に炎(かぎろひ)の立つ見えて かへり見すれば月傾きぬ』
有名な万葉集、柿本人麻呂の歌ですが、この「かぎろひ」を『かげろひ』として
紅茶の名前にしました。
日の出前、東の空が鮮やかに染まる現象です。徹さんの目指す紅茶、
「かげろひ」は奈良らしい万葉ロマンが込められた、素敵なネーミングだと思います。
紅茶を作り始めて2年、徹さんの紅茶でチャイや、レモンを加えた紅茶ゼリーをスィーツとして
提供しているレストランもあります。
これからも試行しながら紅茶をつくり、紅茶を使ったスィーツ等の展開にも
チャレンジして行きたいと、徹さんは話してくださいました。
2016.11.2
地紅茶サミット世話人会
紅茶研究家 高橋彰子
[茶園情報]
ファーム奥和田
〒630-2151 奈良県奈良市水間町1633
電話 : 090-8387-4511 ファックス : 0742-81-0125