お知らせ

健一自然農園について

奈良の紅茶つくりびと

健一自然農園

(伊川 健一さん)

伊川1

素朴でひたむきな想いから始まった農園、だからこそ生まれる様々な大和茶。

 

すっかり陽が落ちた山添村役場の一室で、健一自然農園代表 伊川健一さんに話を聞かせて頂きました。

私は後で知ったのですが、健一さんは元々、農家の出身ではありませんでした。

15歳、健一さんはまだ少年の頃に、農業への熱い想いを志し、『人と自然が調和した世界の実現』決心します。

自然農塾で農業を学んだ後、2001年、当時、耕作放棄地が数多く散見される都祁地区に入り、

荒れ放題だった大和高原の茶園を、地元の人から借り受けて、19歳という若さで『健一自然農園』を開園しました。

 

耕作放棄茶園を台刈りし、高齢化等で手放された畑を耕し、農薬や化学肥料に頼らない、

土地や畑ごとの特長を生かす自然農法を実践し、お茶を中心に椎茸、米や豆、野菜などを作っています。

開園から15年、新たに依頼される耕作放棄地は年々増え続け、6名の常勤スタップと、

季節により10名を超す応援スタッフが、健一自然農園を支えています。

伊川2

いにしえから「まほろば」と称賛されてきた、大和高原の中央部に位置する都祁地域。

三重と県境を接する、北東部の山添。

健一さんが主に活動している、都祁や山添や田原地区、宇陀市は、

ともに標高が高く、寒暖差の大きい場所で、良いお茶の条件が揃った場所です。

その山里で、健一さんはその地に合ったお茶の種類や、製茶方法を心がけています。

茶摘みした茶葉を、日干しや陰干し、室内萎凋と分けて、釜炒りし、緑茶や烏龍茶、紅茶や番茶、

ほうじ茶等、様々な大和茶に加工して販売します。

ただ『製茶したお茶』を販売するのではなく、「一期一会、唯一無二のお茶を」

福祉や教育、環境や地域の観光・文化という、様々な社会の構成要素とコラボして、

更なる付加価値を膨らませつつ、人と自然が調和した社会を模索し続けています。

 

伊川3

「自然栽培 有機栽培  和紅茶 」 リーフ

緑茶品種「やぶきた、やまとみどり、おくみどり、実生(在来)」などで製茶。

 

2004年から作り出した健一さんの紅茶は、無農薬、無施肥のピュアな素材だからこそ醸し出せる、

薫り高く、上品で、かつ奥ゆかしい、和の女性のような紅茶だとか。

 

この夏、山添村の「世界一の紅茶復活プロジェクト」の力強い協力者、

60年前、紅茶工場で働いていたという(杉本さん)を喪うという、悲しい別れがありました。

杉本さんは、健一さんの作った紅茶を、昔飲んだ紅茶と同じ味だと、最期におっしゃていたそうです。

 

山添村に、杉本さんが働いていたような、紅茶工場を復活させたい。

60年前、三重の川戸さんが高い評価を受けた、ロンドンの品評会に紅茶を出したい。

大和高原に紅茶のプラント、産地を作りたい。

 

「今日をより良く生きるため、お茶とともに暮らしてきた」という健一さん。

健一さんのチャレンジは、まだまだ、大きく、限りなく続いていくようです。

2016.11.17

地紅茶サミット世話人会

紅茶研究家 高橋彰子

 

【茶園情報】

健一自然農園

〒639-1123 奈良県大和郡山市筒井町696-1

TEL/FAX : 0743-56-3313  メール :yamato@kencha.jp
ホームページ http://www.yamatocha.com/

 

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