お知らせ

奈良の紅茶について

戦後、日本産の紅茶は輸出用として研究が進められ、紅茶専用品種の育成や紅茶機械の製造・紅茶製造方法の研修会など活発に行われていました。
静岡、三重、奈良、高知、大分、鹿児島などで紅茶専用品種が植えられ、紅茶工場が稼働していました。とくに 1958 年(昭和 33 年)には、奈良県産の「べにほまれ」という紅茶品種でつくった紅茶が、ロンドンの全世界紅茶品評会で最優秀賞を獲得するなど、国内だけでなく世界からも高い評価をうけていたようです。
しかし、1970 年代の輸入自由化により、国内の紅茶品種のほとんどが緑茶用品種に植え替えられ、紅茶工場は閉鎖され、事実上、日本の紅茶産業は姿を消しました。

現在奈良の茶園で栽培されるべにほまれ

現在奈良の茶園で栽培されるべにほまれ

当時、奈良県においても、森永製菓が大和高原に紅茶製茶工場を設置、波多野村(現山添村)史には昭和 35 年に約 20ha の紅茶園と民間企業による紅茶工場があったと記されており、昭和 33 年のロンドンで開かれた全世界紅茶品評会にて最優秀賞を獲得したと記されています。
しかしながら、1970 年代に工場は閉鎖され、紅茶品種「べにほまれ」は、当時、大和高原のあちこちで植えたものがいたようですが、 紅茶製造のため本格的な収穫がされることなく緑茶品種への植え替えられるか、耕作放棄茶園となってしまいました。月ヶ瀬地区等にも当時の茶樹が数本残っている場所があります。

現在奈良県では大和高原を中心に 2013 年 に 1.5t以上、2015 年には 2t以上の紅茶が生産加工されています。
また、前述の山添村では地域おこし に紅茶が取り入れられ、紅茶づくり体験も出来ます。そしてここ数年は、大和茶の生産者が個々に紅茶を作り、道の駅などでも多種販売されるようになってきています。

 

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