第15 回全国地紅茶サミットin 奈良 関連イベント
“奈良では”のこどもティーパーティ「こども和紅茶マスターになろう」 第1回・第2回の開催報告です。
このプログラムは、小学校3年生から6年生を対象に、全6回のプログラムでお茶や紅茶のことを学び、12月の最終回にはティーパーティを開いてお客様をおもてなしし、その一連を経験してもらうことで「こども和紅茶マスター」に認定するというプログラムです。
定員20名のところ70名のご応募をいただき、先着25名の方にご参加いただいています。
第1回は9月4日(日)、月ヶ瀬健康茶園の岩田文明さんを講師に「農とお茶のお話」をうかがいました。
「お茶」ってきいて思い浮かぶことは何がある?という岩田さんの問いかけに、紅茶・ほうじ茶・玄米茶・さんぴん茶というお茶の種類、急須やゆのみという道具、柳生・月ヶ瀬・静岡という産地、そのほか茶道・温度・香り・茶菓子など様々な単語が並びます。
岩田さんはそれらの単語を分類し、お茶はどんな場所で作られているか(栽培)、どんなお茶を作るか(加工)、どうやって飲むか(淹れ方・飲み方)、この最初から最後まで気持ちがつながって初めておいしいお茶ができる、心をつなげることが大切だとお話しくださいました。
また、おいしいお茶ができやすい条件の場所は、雨が降ってもすぐ流れる斜面があり、よく霧が出て(川の近く)、昼夜の寒暖の差が大きい所だそうで、奈良でいえば柳生・月ヶ瀬・田原・都祁など木津川の両側の山、日本でいえば九州から東京を結んだライン上でよく作られているそうです。
もっと大きく世界に目を向けると、お茶はインド・スリランカ・中国・台湾・日本あたりでしかとれません。
これはヒマラヤ山脈にぶつかった海の湿った空気が東に流れ雨を降らす地域と重なっていると考えられるそうです。
品種もさることながら、作られる場所によってお茶の個性や特徴が大きくでます。
インドのアッサムティーから日本の煎茶まで産地の違う6種類のお茶を淹れていただき、色や香りの違いを確認しました。
適地適作で作ること、様々な個性を楽しんで飲むこと、農やお茶の世界の奥深さを垣間見せていただいた時間となりました。
第2回は9月25日(日)、全国地紅茶サミット世話人会の藤原一輝さんを講師に、
月ヶ瀬健康茶園での茶摘み&紅茶の加工体験を行いました。
この日のために鳥取からお越し下さった藤原さんも同乗してみんなでバスで月ヶ瀬に向かいます。
茶摘みをさせていただいたのは、挿し木ではなく種から育てた茶畑。
肥料も同じ山で刈ったススキなどだけで循環するお茶づくりをされています。
「一芯二葉」で摘むこと1時間、お天気にも恵まれ楽しく摘んでいるうちにかごもいっぱいになり、
ロマントピア月ヶ瀬に移動して加工体験です。
まず「萎凋(いちょう)」。摘んだ葉をしおれさせるために陰干しします。
この間に昼食。そしていよいよ「揉捻(じゅうねん)」手もみ作業です。
お茶の葉に傷をつけることで発酵がはじまるのだそうです。
よれよれになった葉をビニール袋に入れて「発酵」。
色や香りの変化を確認しながら待ちます。
本当は2時間ほど発酵させたかったそうですが時間の都合で30分で次の工程「乾燥」へ。
ドライヤーの熱風で乾燥させて、完成です。少し茶葉が多かったようで「にがい~!」
という声があちこちから上がり、ロマントピアの方に「お砂糖ください!」と直談判に行く子も(笑)。
でも部屋中に広がる香り、グラスの中のきれいな紅色、どちらもしっかりと紅茶のものになっていました。
約30分の手もみ作業に疲れたそぶりを見せる子もいましたが、だれ一人飽きたり途中で投げ出したりせず、
試飲までしっかり取り組むことができました。
藤原さんは「不思議の国のアリス」が大好きだそうで、それ以外にも「紅茶王子」「茶の涙」といった紅茶・お茶が主題の漫画作品も紹介してくださり、参加者の興味をひいていました。
今回初めて茶摘みや手もみを体験した子も多く、また朝自分で摘んだ葉を午後には紅茶として飲む、という経験はなかなか貴重な機会だと思います。試飲した茶葉を持ち帰った子が多かったので、家で二煎目を飲んだ感想をまた聞いてみたいと思います。試飲した分以外の茶葉は、
月ヶ瀬健康茶園で加工していただき、12月のティーパーティで使用する予定です。
2016.10.1
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